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LEAF 0038
クラスターの科学
−ナノメートルサイズの原子・分子の特異性
真船文隆(化学)
東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系

昔の高校の化学の教科書には次のように説明されていた。「金属の単体をその性質を保ったまま小さくしていくと、原子になる」。しかし、ここ数十年の研究の成果を考えると、「金属の単体を、その性質を保ったまま小さくしようとしても、原子まではたどり着かない」と言ったほうが正しいようである。金属の単体を小さくしていき、その大きさがナノメートル程度になると、その性質が次第に変わってくるためである。原子や分子からなる塊を切り刻んでゆく、あるいは原子や分子を集めて凝集させることによって、原子や分子が数個〜数千個程度集まった微粒子を作ることができる。これらをクラスターという。これらクラスターは、1個の粒子からなる原子・分子、あるいは相当数集合したバルク(塊)とは全く異なる特異な性質を持つ。さらに、そのサイズ(構成粒子の数)によって反応性、物性、構造が顕著に変化する。バルクでは持たない性質が小さくするだけで発現するようになり、さらにそのサイズを変えることによって、これらの性質がまた変化する。このようなクラスターの「サイズ効果」について説明したい。

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